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マスト、ドップラー・ライダー観測での豪雪・厳寒地区への対応
 
長期欠測を避ける為に
①計測を維持する
②電力供給を維持する
が重要となります


計測を維持する
 
ドップラー・ライダーは計測用レーザーを上空に照射して風況観測を行います。このため、積雪量が多い場合、レーザー照射用レンズ面が埋もれてしまい、計測ができなくなる事があります。照射レンズ面にはヒーターがありますが、融雪能力は大きくなく、雪が溶けるまでに時間を要します。積雪状態によっては、数日間の計測ができなくなるケースもあります。
この為、積雪地帯では、積雪時にどのようにして、計測を維持するのかの対策が重要となります。
弊社ではこれまで、北海道、東北などの豪雪地帯での多数の計測実績があります 
 

積雪対策を講じない場合の積雪状況
北海道 ドップラー・ライダー積雪対策試験設備(DIABREZZA_W)
2023年2月6日 外気温 マイナス10.5℃
積雪に強い機種だが、豪雪時は埋もれてしまう
北海道 観測サイト(WINDCUBE V2.1)
レンズは露出しているがレーザー光照射角度が維持できない状態

 


積雪対策の事例 

 

 
 
 青森県観測サイト
WinterKitの設置と効果(WINDCUBEのオプション)
ある程度の積雪でもライダーの計測が維持できる
 
 
 積雪対策架台
現地の積雪量に合わせた高さの設定
ライダーと電源の架台一体型の例(右) 
 
追加ヒーターユニットの設置

ライダーメーカーオプションのWinterKitに加えて、豪雪地帯では追加のヒーターユニットを個別製作・設置しています。北海道の豪雪地帯ではWinterKitのみでは積雪でレーザー光が阻害される事がありましたが、追加ヒーターユニットの設置で積雪による欠測を回避できました。(追加ヒーターユニット設置後の冬季データ取得率は観測高度60mにおいて94.9%でした)
 

電力供給を維持する
 
豪雪地帯で独立型電源を用いる場合、極低温時にも発電を維持する、冬季の燃料補給の対応、あるいは冬季に燃料無補給で電力供給を維持する必要があります
【問題点】
ドップラー・ライダー用電源で用いられている燃料電池(DMFC)は低温対策を適切に講じない場合、想定外停止などが生じます。
ソーラーパネルは冬季は発電量が大幅に低下する事に加えて、パネル面への積雪・着雪により長時間発電ができなくなる事が生じます。
蓄電池も極低温時には性能低下が生じ、蓄電池のタイプによっては極低温での使用が推奨されない場合があります。
燃料電池(DMFC)に用いるメタノールは濃度により消防法における危険物となる為、保管量に制限があります(指定数量)この為、冬季の燃料供給が必要な場合があります
【対策】
弊社では豪雪地帯(想定積雪量5m等)、極寒冷地帯(想定最低気温マイナス20℃、実際の観測地時の最低気温マイナス18℃)での運転経験を通じて、この対策を進めています。
 
 
 

燃料電池(DMFC)
極低温時に対策を講じる必要がある
 
 
太陽光パネルへの着雪
パネル傾斜を大きくしても着雪する事がある

 豪雪地帯・極寒冷地での設置事例
極寒冷地での観測(マイナス18℃)
豪雪地帯での観測(想定最大積雪量3m)